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『ウルフガイ』『幻魔大戦』のSF作家・平井和正死去 宗教との関係は? [カルチャー]





日本を代表するSF作家・平井和正が
1月17日、死去したとのことです。
享年76歳。

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http://www.wolfguy.com/

代表作はたくさんあるのですが、
一般的に知られているのが『エイトマン』。
作画は『月光仮面』などで有名な桑田次郎ですね。

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まあ、30歳以上の人であれば、
リアルタイムで見ていないとしても
聞いたことくらいはあるかもしれませんw。

シリーズ作品も多く、SFファンを魅了しています。
代表的なものを挙げると

●『ウルフガイ』
●『アダルト・ウルフガイ』
●『幻魔大戦』

といったところではないでしょうか。

『アダルト・ウルフガイ』は『ウフルガイ』の
大人版というわけではなくw、
どちらも主人公は「犬神明」で、
月を見ると狼男になってしまう設定は同じなのですが、
『ウルフガイ』では中学生、『アダルト』の方は30代と
年齢や性格が異なっているんです。
世界観なども大きく違っているので、
ほとんど別物といっていいでしょう。

『ウルフガイ』シリーズの第一作目は
「狼の紋章」という副題がついており、
これは松田優作初主演映画となりました。


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主演といっても犬神明役ではなく、
そのライバルなんですね。


宗教との関係は…??

平井和正は9ヶ月間、「GLA」という新興宗教の
幹部的な立場にいました。


1977年、GLAの教義を記した『真創世記』が
結構なベストセラーとなりました。


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その推薦文を、平井和正が書いているのです。

「天国と地獄」「天使と悪霊」「神と人類」といった
オカルチックな教義と人生論を織り交ぜたような
美麗な文体が話題を呼びました。

著者でGLA代表の娘で、
当時19歳だった高橋桂子(現代表)。

若くして深遠な(?)教義を編纂したということで、
一部で「宗教的天才」ともてはやされたそうです。

平井和正は、その高橋桂子との出会いで
人生観が激変するほどの衝撃を受け、
GLAにのめり込んでいくのであります。

しかし、その理想とかけ離れた
内部組織の実態に幻滅し、
入信して9ヶ月で離脱しました。

後年、『幻魔大戦5』のあとがきで、
「『真創世記』を書いたのは自分だ」と
驚愕の事実を発表したのです。


いわゆる、ゴーストライターというやつでありますw。

高橋桂子の講演や教団幹部の語ったことなどを
リライトしたり、一部加筆も行っていたようです。

印税は辞退したとのこと。

『真創世記』発売から1992年まで、
平井和正の推薦文が記されていたそうですが、
その間に140刷を超えているのです!


リライトと加筆なので共作というのが
実質に近いと思うのですが、
それにして140刷分の印税を辞退したというのは、
残念な気持ちも少なからずあったはずだと
想像してしまいますw。

『真創世記』の教義は、幸福の科学や
オウム真理教に影響を与えたとして、
平井和正を批判する向きもあるそうです。

幻想的な作風は、時としてオカルチックに
なることもあるでしょうが、
作品の価値を貶めるものではないでしょう。

また一人、偉大な作家が旅立ってしまいました。



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